2020/9/30~10/1にかけて、Odoo Experience 2020がオンラインにて開催され、Odooバージョン14.0がお披露目されました。以下、初日のFabienのキーノートスピーチからのまとめです。ここでは会計を除く諸々の新機能や改善ポイントにつき、プレゼンテーションに沿って五月雨式にご紹介です。
ウェブサイトビルダ改善
このQuartileのHPも実はOdooの標準機能で作られています。
ERPの中にウェブサイトビルダ機能が入っているというのは意外な気がしますが、ブログ、フォーラム、イベント、など、V12.0から既に十分使える機能が揃っています。
V14.0ではさらに機能が追加され、素人でも見栄えの良いウェブサイトが作成できるようになりました。
無料のテーマがたくさん用意されています。
簡単に背景の色、文章の位置を変更したり、フィルターをかけたりできます。
フッターのテンプレートも簡単に使えます。
飲食店のメニュー、グラフ、チャート、フォームなど様々なビルディングブロックがあります。
こちらはフォームのブロック設定です。
動画を見る限り、本当に簡単そうです。
Odooのウェブサイトビルダ―は、コミュニティ版に入っているので、無料で使えます。
Windows版もあるので、ダウンロードして使ってみてください。
※ どの機能がコミュニティ版に入っているかは、こちらをご覧ください。
CRM
CRMアプリで、「エンリッチ」ボタンを押すと、画面右のようにメールアドレスから会社情報が表示されます。
アクティビティの一覧画面から直接メールを送ることができます。
Recurring Business、つまり、定期的な取引があるようなビジネス、サブスクリプションビジネスに対応して、定期的な見積もりを作ることができます。
Outlook、Googleとの連携。
Odooとの連携ボタンを押すと、3つ前の画面と同じように会社情報が表示され、Addボタンを押すと、CRMの連絡先に登録できます。
メールをPushすると、CRMに登録され、全ての履歴をCRM上で見ることができます。
これ、すごく便利そうです!以前の職場で使っていたCRMでは、受け取ったメールは手作業でCRMに登録していました。
在庫管理の機能改善
補充オーダ:
在庫が不足した時に補充オーダが自動的に作成され、製造オーダまたは購買オーダを作成することができます。
引当の優先順位:
配送オーダの優先順位を上げることで、引当の優先順位を簡単に上げることができます。
バーコード機能:
Odooは、3つのピッキングをサポートします。
ウェーブピッキング:ゾーンごとにピッキングし、全部まとめてオーダごとに分ける
バッチピッキング:複数のオーダを一度にピッキングし、まとめてバーコードスキャンした後、オーダごとに分ける
クラスターピッキング:複数のオーダを一度にピッキングし、バーコードをスキャンしながらオーダごとに分ける
バッチピッキングでは、複数のオーダを一度にバーコード処理します。
タイムシートの機能改善
コンサルタントのような作業時間で顧客に請求書を作成する場合、タイムシートで作業時間を細かく記録する必要がありますが、V14.0ではプロジェクトを選んでスタートボタンを押すだけで、簡単に記録できます。
経費精算の機能改善
レシートの写真をアップロードするだけで、AIが自動的に必要な項目を埋めてくれます。
(日本語は対応しているのかどうか、、、)
製造管理の機能改善
製造オーダにおいても優先順位を設定したり、日付を変更することで引当を簡単に変更することができます。
また、部品表マスタを登録しない製造オーダを入力することもできます。
オンタイムデリバリーのための機能改善
購買の見積依頼を登録する時に、Receipt Dateの横に仕入先がどのくらい納期を守るかが表示されます。
納期の数日前に仕入先にメールを送って、納入予定を確認することができます。
スプレッドシートの新機能
Odoo上でレポートをスプレッドシート形式で表示したり、レポートの数値を計算式に使ったりすることができます。
ビジネスインテリジェンスを導入するには、費用も労力もかかりますが、Odooのスプレッドシート機能ならデータウェアハウスも必要なく、インポート・エクスポートの作業も必要なく、リアルタイムのOdooのデータをスプレッドシート形式で表示することができます。
条件式を設定して、一定の数値のセルに色を付けたり、フィルタを設定することができます。
データクリーニングの機能改善
重複条件のルールを事前に設定しておき、重複可能性が高いデータを抽出し、マージ処理をすることができます。
その際、どちらのデータを主にしてマージするかを選択することができます。
重複データのマージ作業を自動で処理するか、手作業で行うか、設定できます。
この機能も重要です。以前の仕事でCRMを使っていた時も定期的にデータの重複チェックをしていましたが、けっこうな時間がかかっていました。
ドキュメントデジタル化の機能改善
ドキュメントの管理画面です。
Odooに取り込まれたドキュメントを整理します。
同じ書類に含まれているものを同じファイルにまとめたり、取り込まないドキュメントを選択から外すことができます。
スタジオの機能改善
スタジオツールを使うと、承認ワークフローを自由に設定できます。
OdooのV14.0は機能改善ポイントも多く、評判も高いので楽しみですね!
Photo by Joshua Earle on Unsplash
Odoo V13リリース(1) - 新機能や改善ポイント