Odoo Experience 2024 Keynote - Vision & Strategy

2024/10/2～10/4にかけて、Odoo Experience 2024がベルギーのブリュッセルにて開催されました。2日目のOdoo社CEO Fabien PinckaersのKeynote - Vision & Strategy講演ではOdoo社のビジョンと戦略、 AEROSPACE LAB 社の導入ケースが紹介されました。
3日目の Keynote: The Future of ERP 講演では、Fabien Pinckaersが、OdooパートナーとともにERP市場の将来についてパネルディスカッションを行いましたので、こちらの記事で合わせて紹介いたします。

関連リンク：

・Odoo V17リリース - 新機能や改善ポイントについてのブログ記事はこちら

・Odoo社によるOdoo 18 リリースノート（新機能と概要の一覧）はこちら

・Odoo社のBlog記事"Meet Odoo 18"（概要と動画での紹介）はこちら

Vision & Strategy​

Odooは月に８０万回インストールされるようになりました。

これは、Odooの方向性が正しかったということを示しています。

オープンソース
・オープンソフトウェア
・オープンマインドセット
・コミュニティの強さ

公平な価格体系
・透明性
・手頃な価格
・強力な無料オファー

ベンダーのロックインがない
・独自のデータフォーマットがない
・ソフトウェアのロックインがない
・プラットフォームのロックインがない
・公正な取引条件

強いコミュニティ
・プロダクトへの集中
・“競争”マインドセット
・貢献への報酬

Odooのパートナーは8,000まで増えました。
パートナー以外にもOdooに関連する仕事をする人を含めると、25万人の仕事をOdooが作り出しています。

業界向け

Odooは今まで一般的なソリューションを提供してきましたが、今後は各業界向けのソリューションに力を入れていきます。既に43の業界向けアプリを提供していますが、2024年中に100まで増える予定です。

Odooの業界向けソリューションはこちらから確認できます。

Odoo V18へのアップグレード

Odoo V18は、既にウェブサイトやダウンロードが利用可能です。既にOdooを利用しているお客様のV18へのアップグレードについては、オンプレミスとOdoo.shは年内に利用可能になります。オンラインのお客様は2か月以内に毎月10,000クライアントをアップグレードしていく予定です。

AEROSPACE LAB がOdooを採用した理由

AEROSPACE LAB は、2018年に設立された急成長中の人工衛星の会社で、2年前にOdooを導入しました。

Odooを採用した理由は、最新のオープンな技術を組み合わせて開発を促進していくという手法に共感したからです。AEROSPACE LABを設立した理由と共通しますが、伝統的なの柔軟性のないウォーターフォール型の開発には飽き飽きしていたのです。

パネルディスカッション：ERP市場の将来

３日目のOdoo KeynoteはOdooパートナーのIdealis社のAndré Bake氏、Deloitte社のJohan Vlaminckx氏、Braintec社のNathanael Leutenegger氏とのERP市場の将来についてのパネルディスカッションでした。

AIについて

AIについては、様々な可能性があり幅広い分野で多大な投資が行われているが、AIをどのように使うかから始めるとうまく行かないだろう。具体的な問題の解決方法を考えるときに、機能追加やユーザエクスペリエンスの改善などを含め、様々な方法を検討し、AIが問題解決に寄与する場合にはAIを活用するべきだ。しかし、AIを利用すれば問題が解決するという漠然とした考え方ではうまくいかないだろう。

標準化と柔軟性

大企業向けのERPは複雑な業務を柔軟性の低い標準製品に押し込んできた結果、採用率が低くなってきている。Odooは標準化されたサービスと柔軟性のあるプラットフォームを兼ね備えている。

まとめと所感​

2020年からOdoo Experienceのブログ記事を私が担当しているので、早いもので、今回で５回目となります。

例年、Odoo Experience の Keynoteでは、Odooにこんな新しいアプリが追加されました！、SAPやOracleは×××ですが、Odooは×××で素晴らしいです！的なアピールがこれでもかと押し出される感じなのですが、今回は淡々と新機能について説明するという感じでした。

目玉となる新しいアプリや機能の紹介がなく、意外な気もしたのですが、既存のアプリや機能の地道な改善を着実に進めているということなのかなと感じました。長らくCommunity活動で進められていた日本語化も2023年からようやくOdoo社の方で翻訳家の方が翻訳を進めてくれるようになりました。

今までは、ERP市場をけん引するSAPやOracleを追いかける立場だったOdoo社が、ERP市場での確固たる地位を築きつつある、そして、ERP市場の今後を引っ張っていく立場である、ということを感じた今年のOdoo Experience Keynoteでした。

まずはOdooをさわってみてください。

こちらから簡単に始められます。
https://www.odoo.com/ja_JP/trial