コタエルでは人材育成をしません

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2023年9月9日 by
コタエルでは人材育成をしません
Yoshi Tashiro (QRTL)

はじめに


私自身人材育成をしている意識がなく、今後採用してうちに来てくださる方に過剰な期待を抱かせるとよくないということでこちらの記事を書いています。

まず「人材育成」とは具体的に何を指しているのでしょうか?ChatGPTに聞いてみましたら次の回答でした。

  1. 教育・研修:新入社員のオリエンテーションや技能研修、マネジメント研修、リーダーシップトレーニングなど。
  2. キャリア開発支援:キャリアの目標設定、進路相談、キャリアパスの提供など。
  3. 実務経験の拡大:ジョブローテーション(異なる部門や役職での経験を積むこと)や新しいプロジェクトへのアサインメントなど。
  4. メンターシップ・コーチング:経験豊富な上司や先輩が、後輩や部下の成長を支援する役割を果たす。
  5. フィードバックの提供:定期的なパフォーマンスレビューや360度フィードバックなどを通じて、個人の強みや改善点を明確にする。

なるほど、それっぽいですね。


コタエルでの「育成」の実態


実はコタエルには全く当てはまらない回答が返ってくるのかなと思っていたのですが、個別のポイントを見ると、意外と当てはまる点もありそうでした。

うちでは1はほぼやりません。2についても、零細企業であるため社内のポジションをもって指標を提示することが難しく、「日本一のOdooコンサルタントになろう!」のような目標設定になります。

3についてはある意味自ずとできているのかもしれません。常に複数のプロジェクトが動いていて、新しくチャレンジングな課題には事欠きません。私含め各メンバーがいつも少しづつ背伸びしながらタスクをこなしていっています。ただジョブローテーションのようなものは難しいですね。

4と5は人事評価制度としては未成熟な面がありますが、実態として日々かなりの量の議論とフィードバックが交わされています。ここにはアジャイル方式でサービス提供していることが大きく影響しています。コタエルではOdoo導入プロジェクトにおいて原則準委任契約でのみ提供している関係で、タイムシートを細かくつけてお客様と共有しています。その前処理として作業時間が課金対象か否かの分類をし、その妥当性を日々チェックしているのですが、そこで各メンバーの自己評価と責任者(私)の評価のすり合わせをしています。

ざっくり体よくまとめると、人材育成を目的とした制度の整備には注力していないものの、実態として成長が強く促される環境・スタイル・カルチャーはあるのだと思います。私自身コタエルのメンバーにはどんどん成長して、どんどん稼いで幸せになって欲しいと願っていますし、そのためのアドバイスや機会提供は惜しみません。

私は特に1の「育成」手法はコタエルのような零細かつ課題解決型の企業で採用してもほぼ効果がないと考えます。それは会社が一方的に「与える」(=メンバーは受け身になる)色合いが濃い手法であるためです。このような手法は大企業において業務水準を少し引き上げる効果はあるのかもしれませんが、分業や業務の定型化を必ずしも是とせず、評価指標が課題解決に寄っている組織では効果が薄くなります。


人が成長する条件


「育成」の目的はメンバーの「成長」のはずですが、現代においては「育成」と「成長」の因果関係がかなり弱くなってきていると考えます(当然、業態にもよります)。その意味で「人材育成」という言葉の響きが時代錯誤感を醸し出す場面も増えているのではないでしょうか。

人はどうやって成長するか。私なりの考えでは、決して「与えられる」ことによってではありません。自ら何かしらの気づきを得て、成長したいと強く願うことが出発点です。強い成長願望がある人は放っておいても勝手に行動して成長しますし、ない人にはいくら会社が働きかけたところで何も変わりません。

コタエルでやるべきことは、画一的な研修のようなものではなく、意欲を持った人が成長しやすい環境を提供することです。まとまりなく例を挙げると、

  • なにごともあるべき姿を考えた上で現実解を出すスタイル
  • Odooや業務システムについての深いノウハウの共有
  • それなりに考えて行動していれば失敗してもOK(あくまでスタンスとしてのことであり、失敗が許されない場面もありますのでそのあたりは注意します)
  • 過度な業務負荷をかけない(基本的に残業しない)
  • ChatGPTやGitHub Copilot等、成長や生産性向上に寄与するものは会社のコスト負担で積極的に取り入れる
  • 外部との接触機会を増やす(OSSコミュニティ活動や社外勉強会等への参加を促す)
  • 英会話レッスンサポート

といった点があると思います。


まとめ


過去退職者に「コタエルでは人材育成をしない」「育成が下手だ」という評価を受けたこともあります。そこに対して私はまあそうだねとしか言えず自分自身モヤモヤしたところがあったのですが、そもそも「育成」の位置付けの理解に違いがあったように思います。

うちは「零細かつ課題解決型の企業」であり、それを踏まえた上での生存戦略があり「育成」の捉え方があるわけですが、そうでない場所から来た人が別の感覚をもっていることは、当然ながら往々にしてあります。その感覚の違いがともに働く中で解消できなかった場合、残念ながらコタエルでの仕事環境・カルチャーは居心地のよいものにはなりません。

その一方、自ら成長するために行動する人にとっては、それなりによい環境が提供できているのではないかと思います。オープンな場で価値を生むことを念頭に、必要なリソースにアクセスできる状態で、自らの行動を組み立てて実行しフィードバックを受けて軌道修正する。それを繰り返し継続していると、否応なしに成長します。コタエルではこれら要素それぞれを高いレベルで実現することを意識しています。

今後「育成」に関する期待値に大きなズレが生じるのが防げればとの思いで書いてみました。皆さん、コタエルでは育成はしません。コタエルの環境を利用して大いに成長してください!



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UnsplashIan Schneiderが撮影した写真

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Yoshi Tashiro (QRTL) 2023年9月9日
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