Odooのキャッシュフロー計算書は、現金/銀行関連の勘定科目を含む仕訳の相手勘定を集計する形で数字が集計されます。
日本のキャッシュフロー計算書とは異なりますが、勘定科目の設定や仕訳計上ルールを工夫することで、近い形に表示することもできるかもしれません。
キャッシュフロー明細書の各項目の説明
メニュー「会計」>「レポーティング」>「財務諸表」>「キャッシュフロー明細書」
キャッシュフロー計算書の各項目について、対応する番号の説明をご参照ください。
①現金及び現金同等物の期首残高:仕訳帳(タイプ:銀行または現金)に設定した銀行勘定(現金アカウント)/未消込入金勘定/未消込支払勘定の勘定科目の期首残高
営業活動によるキャッシュフロー
②売上債権の回収額:勘定科目のタイプが売掛金
③営業活動による収入:勘定科目のアカウントタグがOperating Activitiesで借方計上の仕訳明細
④仕入債務の支出額:勘定科目のタイプが買掛金
⑤営業活動による支出:勘定科目のアカウントタグがOperating Activitiesで貸方計上の仕訳明細
投資・その他の活動によるキャッシュフロー
⑥収入:勘定科目のアカウントタグがInvesting & Extraordinary Activitiesで借方計上の仕訳明細
⑦支出:勘定科目のアカウントタグがInvesting & Extraordinary Activitiesで貸方計上の仕訳明細
財務活動によるキャッシュフロー
⑧収入:勘定科目のアカウントタグがFinancing Activitiesで借方計上の仕訳明細
⑨支出:勘定科目のアカウントタグがFinancing Activitiesで貸方計上の仕訳明細
その他未分類活動によるキャッシュフロー
⑩収入:②、③、⑥、⑧以外の勘定科目で借方計上の仕訳明細
⑪支出:④、⑤、⑦、⑨以外の勘定科目で貸方計上の仕訳明細
⑫現金及び現金同等物の期末残高:銀行・現金タイプの仕訳帳に設定した銀行勘定(現金アカウント)/未消込入金勘定/未消込支払勘定の勘定科目の期末残高
※ ②~⑪の金額は、仕訳帳(タイプ:銀行/現金)に設定された銀行勘定(現金アカウント)/未消込入金勘定/未消込支払勘定が含まれる仕訳の金額が集計されます。
※ ①期首・⑫期末残高は、レポート画面上部のオプションで指定した期間の開始・終了残高となります。
関連設定
(1)仕訳帳
現金、銀行の仕訳帳を作成します。
メニュー「会計」>「設定」>「会計」>「仕訳帳」
仕訳帳で設定された「現金アカウント」「銀行口座」/「未消込入金勘定」/「未消込支払勘定」の勘定科目がキャッシュフロー計算書で「現金及び現金同等物」として表示されます。
・タイプ:「現金」または「銀行」
・現金アカウント(タイプが銀行の場合は、「銀行口座」):現金または銀行口座ごとの勘定科目
「支払い設定」タブ
・未消込入金勘定:顧客請求書から支払登録した場合に計上される勘定科目
・未消込支払勘定:仕入先請求書から支払登録した場合に計上される勘定科目
(2)勘定科目
メニュー「会計」>「設定」>「会計」>「勘定科目表」
勘定科目の「タイプ」及び「アカウントタグ」の設定により、キャッシュフロー明細書上でどこの項目に表示されるかが決まります。
タイプ:
売掛金:売上債権の回収額
買掛金:仕入債務の支出額
タグ:
Operating Activities:営業活動による収入/支出
Investing & Extraordinary Activities:投資・その他の活動によるキャッシュフロー
Financing Activities:財務活動によるキャッシュフロー
上記以外:その他未分類活動によるキャッシュフロー
※ タイプに売掛金または買掛金が設定され、タグにOperating Activities等が設定されている場合は、タイプの設定が優先されます。
注意点)
固定資産を未払金で購入した場合に、Odooのキャッシュフロー計算書上では支払われた時に固定資産としてではなく「未払金」として表示されます。
未払金の勘定科目のタイプが買掛金であった場合には、「仕入債務の支出額」の欄に表示され、未払金のアカウントタグが「Investing & Extraordinary Activities」であった場合には、「投資・その他の活動によるキャッシュフロー」の支出欄に表示されます。
未払金の支出時の内容を細かく分けて表示させたい場合は、未払金の勘定科目を分けておくという方法が考えられます。